私は彼に愛されているらしい
「あのね、私…。」

「俺、清水さんのことが好きなんですよ。」

は?

私が車なら確実にエンストした。

「小悪魔とか言われている清水さんに興味があったんです。ただの鈍感で八方美人でしたけど。」

あ?

「それなりにアプローチしてたんですけど、全く響かない。流石に腹が立ってきたとこだったんですよね。」

なんですと?

「ちょっといま私が好きって言ったよね!?なのに悪口とかどういうこと?腹が立つっていうならさっきまでの私の方が…。」

「あ?」

だから凄みは怖いっての!

「助けてって言うから助けてやったのに。」

「だからその態度!」

「だから何だよ。」

凄みで顔を近付けないで、近い近い!てか怖い!恥ずかしい!

「…振り回された分、ちゃんとお返ししますからね。」

半泣きで構える私にまた竹内くんの左手が伸びてきた。

駄目だ、それだけで期待して心臓がばくばくする。

竹内くんの左手は私の耳を掠めて後頭部に触れた、そして。

「金曜日、空けといて下さい。」

そう言うなり、触れるようなキスをされた。

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