私は彼に愛されているらしい
「じゃ、また連絡します。」

私の返事も待たずに頭をポンポンと叩くと爽やかに車から降りていく。

あ、動かさないと竹内くんの車が出られない。

そんなことを思って、ぼんやりしたまま車を発進させた。駐車場内をゆっくり走行しながらようやく思考が回り出す。

「っっええー!!!!?」

口に手を当てて思いっきり叫んだ。

嘘でしょ、信じられない。誰も予想してないよ、こんな展開!

あの竹内くんが?

私を?

「ってかキスした!されたー!」

しまった声にするんじゃなかった、余計に意識してしまって顔も体も熱くなってきた。

ヤバイ、クーラー全開、窓全閉。

「…振り回された分、ちゃんとお返ししますからね。」

竹内くんの言葉を思い出してまた赤面してしまう。

駄目だ、もう振り回されている。

全然気が付かなかった。

本当に?

色々噛みしめてまた赤くなる。

ヤバイ、なんか心が疼いてきた。




私は彼に愛されているらしい。



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