無口な彼が欲望に忠実すぎて甘い


「え、えと…。」



…私、今呼ばれたよね?




白井君は、ロッカーを覗きこむばかりで私には目もくれない。




もしかして、私の勘違い?


呼ぼうとしたけどやっぱり途中でやめたとか?


だ、だったら私めっちゃ恥ずかしい。




右往左往していると、廊下に出てきた田中さんにふしぎそうな表情をされてしまった。




田中さんに愛想笑いというか苦笑いを返しつつ、白井君にちらりと視線を送る。




…と、聡い田中さんは何か察したように苦笑いを返してくれた。




…ん?


あ、もしかして私達が邪魔でロッカーが開けられないのかな…?



私もそうだと思われたのかも。

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