無口な彼が欲望に忠実すぎて甘い

『付き合って』の違い






その日の放課後。




みんな帰って行くなか、私は白井君との約束があるので席を立てないでいた。



斜め前方、だいぶ離れた席の白井君を窺うと、ちょうどバックに荷物を詰めている所だった。



「白井君、このまえの続きでいいんだよね?」



『……あぁ…』




私たち二人は学祭の出し物の小道具係になっていた。



とはいっても、そこは自由奔放な白井君。

もっぱら雑務と連絡は私がやって、あとは珍しくやりたそうだったポスターの主導をしてもらっている。




「…じゃあ、さっさとやっちゃおうか!」




これまでは完全分業制。


だけど授業時間に準備するようになってからは、一緒に作業することも増えていた。




『………あのさ』



「ん?なにかわからない?」



そんな時、あまり人に頼りたがらない彼も、私にはちゃんと質問してくれる。



それが子供になつかれたようで嬉しくて、ついつい白井君のお願いに甘い顔をしてしまうのだ。








< 7 / 14 >

この作品をシェア

pagetop