【完】私なりの愛のカタチ。





給湯室に着いて、
花瓶の水を入れて、圭ちゃんの病室に戻った。



「……」



病室の前まで来た時、
ガク先輩と、圭ちゃんが話す声が聞こえた。




「何話し……」




私は笑顔で病室に入ろうとした足を止めた。



「こんな怪我するまでなんで何もしなかった?
お前弱くねえだろ?」



「だってよ、約束したから。
あいつと。」



圭ちゃんの言う"あいつ"はきっとお姉ちゃんのことだ。



「何を?」



私はガク先輩の質問の
その後に発する圭ちゃんの言葉は聞きたくない。



そう思ったけど、
お姉ちゃんと何を約束したのか。



聞きたくて、病室の扉の陰に隠れて、
目をきつくつむり、
耳をすませた。






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