神様のいたずら
わたしの後ろにいたのは、転校生だった。

「・・・。」

わたしは、身体中を固まらせた。

「あ・・・あ・・・。」

口元が震えて上手く声がでない。

「チョコ。」

転校生は、笑みを浮かべてわたしのあだ名を呼んだ。

「な、ななな、なんで、九条くんがここに・・・!?」

わたしは、身体を引く。

「気になったから、付いてきた。」

九条くんは、わたしが腰掛けているブランコの鎖を握って、わたしに顔を近づける。

「ま、まさか、全部、聞いてたの?」

「まさか。だって、チョコ、全部、口に出してなかったじゃん。」

「・・・。」

わたしは、前を向くと両手で口を押さえた。
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