初恋はカフェ・ラテ色
「職場の人と気まずくなるのは良くないから仕方ないか。俺の考えが足りなかったよ」
「洋輔さんっ、迎えに来てもらえて本当に嬉しいの。夢にまで見たんだから」
「そんなに俺に気を使わなくてもいいよ」

洋輔さんはてのひらでくしゃっと私の頭を撫でる。

優しく言ってくれたけれどやはり気まずくて、桜子ちゃんの住む実家に向かう中、会話が弾まず泣きそうになっていた。



洋輔さんの実家に到着して、車庫まで出迎えてくれた桜子ちゃんは私たちのそんな雰囲気をいち早く察したよう。

私の肩に手を置いて部屋の中へ案内し、洋輔さんはぶらぶらと後から付いてくる。

「心春、まだお料理の途中なの。手伝ってくれる?」
「うん」

桜子ちゃんからピンクのフリルが付いた可愛らしいエプロンを渡され身につける。

「きゃーっ、可愛い! 洋輔さん! 心春、新妻みたいで可愛いでしょう?」

手土産のケーキをキッチンカウンターに置く洋輔さんに桜子ちゃんは上機嫌に言う。

「ああ」

洋輔さんの返事は短く、ダイニングキッチンの向こうのリビングへ行ってしまった。



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