初恋はカフェ・ラテ色
「おやっさんからもらっちゃったからなーどこか美味しいところ、知ってる? 俺、そういう所まったく行かないから」
「順平さんの好きなものはなんですか?」
「あれー『柴田屋』の心春ちゃんと順平さんじゃないかい!」

私たちの会話に割り込んだのは、興味津々に瞳を輝かせる八百屋のおばさんの声。

駅に向かう通り道にあり、お客さんがいないと必ず声をかけてくるのだ。

「おばさん、おはようございます」

立ち止まり軽く頭を下げると、店の前まで出てきて私たちの前に立った。

「そういう仲だったとはねー」

ニヤニヤと今にも誰かに吹聴しそうな感じだ。

「そういう仲って、なんですか? ただ一緒に出掛けるだけですから」
「いやいやお似合いだよー後継ぎも出来て『柴田屋』も安泰だねー」

聞く耳持たずで、勝手に思い込まれてしまい困った。順平さんを見ると、特に否定しないでいる。

「だから違うんですってば」
「いいのいいの。今時の若い人と違って、心春ちゃんは恥ずかしがり屋なんだねぇー」

恥ずかしいんじゃなくて、本当の誤解なんです。

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