長井くんに恋した永井ちゃん。
『『あ』』
そんなことを悶々と考えていると、
3人が声をそろえた。
しかも目はあたしの少し上に向いていて、
あたしは上を向いた。
『永井』
あたしを呼ぶその声と、
あたしを見るその目が視線に先にあった。
「長井っ……」
『………借りるよ』
そんなさらっと言葉を言って、
あたしの腕をひいて、あたしを立たせた。
……心臓の音が耳が痛くなるほどうるさいのは
言わないでも分かるでしょ?