長井くんに恋した永井ちゃん。
そのまま、暗くなってきた廊下に
連れて行かれた。
もう、夕焼けも消えかかる時間らしい。
『………一つ聞きたいことがあるんだけど』
「……なに?」
長井は振り返ってあたしを見る。
けど、手はまだ握ったまま。
『なんで俺、叩かれたの?』
「………え?」
予想外の言葉に、少し抜けた声が出る。
え、え?
「あたし、謝った………」
『え、いつ』
きっと聞いてるのは理由なんだけど、
謝ってからそのこと聞かないと思ってた…。