甘い甘い誘惑
コーヒーショップ〈ティピカ〉の前に着いた。


取り合えず、店の扉を開けようとすると、
後ろから肩をたたかれる。


振り向くと王子様、高崎さんがいた。


「優里、今日も可愛い!ね。」

名前が、何気に、呼び捨てになっていた。


そんな、ツッコミを入れられないほど、
わたしは、緊張していた。


高崎さんは、スキニージーンズにポロシャツに
よく見るマークのブランドのスニーカーを
履いて、私服姿もかっこ良かった。



そのまま、高崎さんは店に入ることなく、
私の手を繋ぎ、引っ張るように歩きだす。


『やっぱ、馴れてる。』


そう思いながらも、緊張して、手が熱い。


5分程歩いた所で、高崎さんは足を止めた。


ショッピングモールが目の前にあった。
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