一途な彼は俺様モンスター
牢獄屋敷

夢のなかで・・・

湿っぽい空気が、やたら体に張り付いて気持ち悪い。

でも、家に戻っても特にやることもないしな…


7月に入ってもう結構経つのに、まだジメジメした陽気の夕方…

学校から真っ直ぐ帰ってきた私は、庭に出て花の手入れをしていた。



私は宮坂 浅海(みやさか あさみ)18歳。

幼い頃、亡くなった両親が残してくれた大きな家に兄と二人で住んでいた。





「浅海、お茶入ったよ」




すると、私のいる庭側の窓から、お兄ちゃんが顔を出した。



「わかった」


私は一旦手を止めて、家の中に入った。




「長時間外にいると、また倒れるぞ?」


家に入ると、キッチンでお茶を入れながら、キッチンで手を洗う私に声をかける。



「今日は曇りで、太陽にあたってないから平気だよ」

「いや、太陽が出てなくても、夏は日射病になったりするらしいぞ。花の手入れをするなとは言わないが、気をつけろよ」

「…はーい」


私は洗った手をタオルで拭きながら、小さな声で返事をした。
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