一途な彼は俺様モンスター
紙神は隙をついて俺の胸をナイフで刺し、ニヤリと笑う…俺の胸からは大量の血が溢れた…




「くっ………ぐはっ」


胸に強烈な痛みが走り、今まで味わったことないくらいの恐怖感を覚えた。

死にそうになったことはあるが、殺されそうになったこは始めてだ…


俺がここまで追い込まれるなんて…






「急所をついたつもりだったが…さすがヴァンパイアだな。このくらいでは死なない…」


グスッッ


「うぅ…」


俺の胸から一度ナイフを抜き取ると、紙神はナイフをまた俺の方に向けた。





「死ね…ヴァンパイア」


紙神の持つナイフが俺に向かってくる…








「やめて!」


その時、突然横から誰かに覆いかぶされるように抱きしめられた。出血多量で目がかすむ中、力を振り絞って顔を上げると…




「あ、さみ…」


目の前には浅海が立っていて、俺を守るように両手を広げていた。





「浅海どけ!」

「どかない!絶対に…」


浅海は首を横に振った。止めようとしても、手が動かない…






「どくんだ浅海!そいつを殺さないと、お前は俺のとのにならない!!!」


紙神は叫びながら、浅海を説得していた。さすがに浅海にナイフを向けるわけにはいかないのか、手は自然と後ろに向けていた。




「絶対にどかない!ここをどいて欲しかったら、私を先に刺して!!空翔が殺されるなら、私も一緒に死ぬ!」

「なに…?」


浅海の言葉を聞いて、眉をしかめる紙神。





「このヴァンパイアを…愛しているのか…?」


紙神の声が微かに震えた…




「そうよ…この世界の誰よりも…」



浅…海…




痛くて苦しい中、それを聞いたとき一瞬だけ心が暖かくなる。

『俺も愛している』と今すぐ言いたかった…







「な、なぜだーーー!なぜお前は俺を愛してくれない!?なんでそいつなんだ!?なぜ俺ではない!!!?」


紙神が興奮し始め、さっきの冷静さと人を見下していたときの余裕は一気になくなっていた。
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