愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
「いて・・・!」 

 高倉が屈んで股間を押さえながら痛みを堪える。

その隙にベッドを下りてドアの方へ走ると、蛇男が慌てて追いかけてきた。

 捕まる!

 諦めかけたその時、ドアが開いて入ってきた誉が私を抱き留めた。

 その後ろには他の海外企画室のメンバーがいる。

 助かった。

 口を塞いでいたスカーフと手を縛っていたネクタイを外すと、誉は再度私を抱きしめた。

 不思議とこいつの腕の中は安心する。

「もう大丈夫だから」 

 私の髪を撫でながら優しく囁くと、誉は高倉を見据えた。

「お前・・有栖川の。勝手に人の部屋に入ってくるな」 

 高倉が誉を睨みつけた。

「監禁強姦未遂。立派な犯罪だな」

「婚約者とホテルに入って何が悪い!早く出て行け!」

「婚約者ねえ。誰が誰の?」 

 誉が冷笑する。
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