愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
「でも、クリスマスに1人ぼっちはイヤだよ。みんな私のことなんか嫌いなの。お父さんだって、もう私に笑ってくれない」 

「俺が大きくなったら瑠璃に大きなケーキ買ってやる。だから泣き止めよ」

 誉はにっこり笑って言うと、私の口の中に苺のキャンディを放り込んだ。

「・・・甘い」
 
 口の中に甘酸っぱい味が広がる。

 私の涙が引っ込んだのを見て、誉は満足そうに笑った。

「お前は俺の家来なんだから、俺を信じて待ってろ。大人になったら誰が何と言おうと瑠璃を守ってやる。それが主人の務めだ」

 そう、守ってやる。

 誉は確かそう言った。

 あの苺のキャンディ。

 私を餌付けするためにいつも持ってたな。
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