愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
 桃太郎が吉備団子を犬やキジにあげたように、誉は何か私に命令する度に、あの飴を私の口に放り込んだ。

 そして、誉は再び私の前に現れた。

「・・・誉」

 彼の名を呟きながら目を覚ます。

 いつの間にか誉のベッドに運ばれたようだ。

「何か飲むか?」 

 私が起きたのに気づいた誉がベッドに腰を下ろして私の額に手を当てる。

「熱下がったな」 

「今何時?」

「夜の8時。5時間くらい寝てたかな」

 誉の言葉に慌てて起き上がると、空はすっかり暗くなっていた。

「誉もずっと一緒にいたの?」

「病人ほっとけないだろ?」
 
「ちょっと熱出たくらいで大げさだよ」

「お前が自分の身体に無頓着過ぎるの。身体辛いなら無理するな」
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