愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
「・・・誉」

 躊躇いがちに彼を呼ぶ。

「ん?どうした?」

「私の身体ってそんなに醜いかな?」

 あのお嬢さまに言われた言葉が頭の中でずっと繰り返される。

 "ガムテープでも貼って隠したら″

 忘れられない。

 これが消えたらどんなに良いだろう。

 消せるものなら消したい。

「伊集院の言った言葉なんて気にするな」

 誉が私の頭を子供にするみたいにポンポンと軽く叩く。

「きっとこんな醜い身体、男の人は誰も抱きたくないよね。見たら引くよね?」

 口から出るのはマイナス思考の言葉ばかり。

 ポジティブになんて今は考えられない。

「瑠璃、俺はお前の身体醜いって思ったことはないし、他の男にだって抱かせるつもりはないよ」 
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