別離路
「すみれ、おはよう」

「香奈子ちゃんおはよう」

「あれれ、なんだか眠そうね?眠れなかったの?」

「う、うん・・・」

昨日の健一郎の言葉が頭から離れなかった
真っ直ぐに見つめる目にすみれは逃げれなくなる程鼓動の早さ

「授業中寝ちゃ駄目よ」

「うん・・・」


きっと何かの気まぐれ冗談。いつもの様に時間は流れて行くはず
そう、何事もなかったように・・・


















「・・って!どうしてここに居るんですか!?」

健一郎はすみれの秘密の場所に先に来て木の下で寝転がって居た

「ここに来ればすみれちゃんに会えると思ってね」

健一郎は起き上がりすみれにゆっくりに近づいて

「ねぇ、昨日の返事考えてくれた?」

「えっと・・私恋とか分からないんです。誰かを好きになった事もないです。だから沢城さんの気持ちに答える事はできません」


「そっか、僕振られちゃったんだ」

「あの・・・」

「でも僕は絶対君を諦めたりしないけどね。だから覚悟しててね」

すみれの肩をポンと軽く叩いて健一郎は帰って行った


諦めないって・・・覚悟って・・覚悟・・・覚悟ってなにーーー!?





私の未熟な恋の始まりがきた・・・そんな気がした





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