大っ嫌いなアイツに恋をした。
もしかして…照れてる?
「やだ〜付けようよ〜!」
「うっせーなお前っ」
言い合っているといきなりゴンドラが強く揺れた。
その衝動にあたしは前のめりになり橘にダイブ。
抱き止められるように橘の胸にすっぽり収まる。
「わっ、ごめ…」
顔を上げた瞬間、唇が重なった。
驚いて目を閉じることも忘れてしまう。
少しして離れた橘はフッと笑った。
「……これ、サンキューな」
手元のクマのキーホルダーを指して橘は言った。
あまりにも可愛く笑うもんだからあたしは瞬きするのも忘れてしまうほど。
……っていうか、今素直にお礼言った?
「……傘持ってきてないよ」
「はっ!?うっせ!お前と一緒にすんな!」