大っ嫌いなアイツに恋をした。



「あの後、腫れおさまんなかったんだからな?」


「…ウソ!そんなに強く叩いてないもん!」


「じゃあ、お前が本気だしたら骨格ズレんじゃねぇの」



なんて、橘はクスクス笑っている。


全く、失礼極まりない。



でも、発端はあたしだ。

こうやってバカにされたり変に絡んできてイジワルされるのもあのとき酷いことしたからだ。



「あたしのせいで変な関係になっちゃったよね……でも、あたし橘とは普通でいたいんだ」



すると、橘は怪訝そうに眉を潜めた。



「ほら!あたしたちならいい友達になれそうじゃない?喧嘩ばっかりじゃなくてさ!その…色々相談し合ったり…」



そう思わない?

そう、橘を見るとかなり不機嫌そうだった。


「俺はお前と友達とかイヤなんだけど。」


橘は海を眺めたままそう言う。


その冷たい横顔に胸がチクっと少し痛んだ。


「……じ、冗談だよバカっ!あ、あたしだって今更あんたと友達なんてごめんだよっ!」




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