ブンベツ【完】


風船が破裂したかのように怒声を上げようとするカイさんの唇を、私は有無なしに塞いだ。

膝立ちをして両手でカイさんの顔を挟み唇をあてがった自分に少し吃驚した。
私いつからこんな酷い女になったのかなって思ったら胸が痛くなった。


「お、いバカーー」


角度を変えて何度もキスする私にカイさんは私の腕を掴んで必死に抗おうと距離が離れるけど、怯む事なく行為をやめようとは思わない。

久々に触れた唇は温かくて気持ちいという錯覚まで起きそうで。


「ハナッ」

「もう子供じゃありません」


迫る私にカイさんが体を引くからその反動でそのままカイさんを床に押し倒してキスを交わす。

うんとして口を開いてくれないカイさんは馬乗りになってキスを降らす私を必死に押してくる。

昔私がされたことを思い出して、うる覚えの記憶のカイさんの真似事のように首筋にキスを落とす。


「やめろ、ハナッ頼むから」


これで終われるの。カイさんが寝てる間に姿を消せばきっと夢だったと思う筈だから。


「カイさん…」

「バカ離れろッ理性が切れる」

「いいです…。大丈夫だから…」

「あんたをこんな風に抱きたくなんかねぇんだよ」

「…カイさん……カイさん」


意識させるように耳元で何度もカイさんの名前を呼びながら耳に口づけをする。
魔性の女みたいだと思ったら自分が酷く滑稽で、自嘲すらしたくなる。

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