ブンベツ【完】
「か、カイさん!服着てください!」
「家にいる親父と変わんねぇだろ。狼狽えすぎなんだよ」
「そ、そう言う問題ではなくて!お父さんはおじさんだし贅肉だらけだし全然かっこよくないし、だから平気って言うか」
カイさんお父さんは違うもん!
おじさんじゃないし贅肉なんてなくて寧ろ引き締まってるし、比にならないくらいカイさんの方がかっこいいに決まってる。
私だけの見解じゃなくてこれは一般的な普通の意見だ。
「あんた、顔真っ赤」
ほら、またそうやって意地悪に笑うから。
カイさんに翻弄されてばっかで、自分のペースが分からなくなる。
「純情過ぎだ。ばか」
そんなこと言われても男の人と付き合ったことなんてないし、どう対応していいか分からない。
「まぁ変な奴に付きまとわれんなよ」
「え?」
「あんたは隙が多い」