くれなゐの宮

紅色の瞳は笹舟をずっと追いかけていた。

まるでその舟に自分を乗せているように、揺れる瞳。



外に出られたら。



願い儚く、笹舟は時間をかけて塀の小さな穴へと吸い込まれていった。


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