誘惑~初めての男は彼氏の父~

木洩れ日

***


 それからしばらくして。


 私は佑典と二人、札幌から車で一時間くらいのログハウスに来ていた。


 日本海沿岸をしばらく走り、それから山岳地帯へと少し上る。


 車は森に囲まれた山道を進み、やがて古城のようなホテルが視界に入ってきた。


 そのホテル付属のログハウスが、ゴルフ場の脇にいくつか建っている。


 大人数で宿泊できるサイズのものから、二人きりで過ごすのにちょうどよい、こじんまりとしたものまで。


 ・・・来るべきではないと思っていた。


 断らなくては、とも。


 でもできないままに、時は流れてしまった。


 そんな間に佑典は、予約を完了させていた。


 予約完了から宿泊日までは、半月くらい時間があった。


 その間にも私は和仁さんと何度か会って、身体の関係を持っていた。


 許されないことだとは分かっていても、自分が止められなかった。


 和仁さんに会って、束の間の快楽を求める反面、佑典を失いたくないとも願う私は・・・ずるい女。
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