誘惑~初めての男は彼氏の父~
 ・・・。


 「理恵、ゆっくりだったね」


 私が温泉を出て待ち合わせのホテルのロビーに向かうと、すでに佑典はソファーに座って私を待っていた。


 「ごめん。ゴージャスなお風呂だったから、つい長風呂しちゃって」


 本当はそれだけじゃない、あれこれ考えごとをしていたのだけど。


 「俺もかなり長風呂しちゃったんだけどね。いつも行ってる銭湯とはスケールが違うし」


 私たちは二人とも温泉巡りが好きで、二人で近場の銭湯や温泉に出かけることも多々あった。


 「さ、戻ろうか」


 佑典はソファーから立ち上がった。


 「何か買いたいものある?」


 ホテルの一階には、売店が入っていた。


 「特にないかな。さっき色々買ってきたしね」


 来る途中に飲み物やお菓子は買い出ししてきた。


 夕食のバーベキューセットは、ホテル側が準備してくれるプラン。


 佑典は肉類が詰められているアイスボックスをホテルのフロントで受け取り、二人徒歩でログハウスへと戻った。
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