誘惑~初めての男は彼氏の父~
 ・・・。


 「退屈だった?」


 急に背後から囁かれ、私はびくっとして目を覚ました。


 この人は、声がセクシーだ。


 耳元で囁かれると、全身に電流が駆け巡るような快感に襲われる。


 ・・・気が付いたら椅子に座ったまま、居眠りしていた。


 「ニュースも・・・、退屈なものばかりだよね。若い子だったら見ているのも嫌にならない?」


 テレビ画面には、本日のニュース一覧が。


 政治不信やら貧困問題、殺人事件など・・・。


 触れそうなくらいに近づいて、水無月さんはそうつぶやいた。


 「高校生でも、社会情勢には常にアンテナを張り巡らしていようと思っています」


 「向学心が高いんだね」


 目を伏せて答えた私の髪を、水無月さんはそっと撫でてくれた。


 温もりが伝わってくる。


 「こっちへおいで」


 そしてゆっくりと手を引かれた。


 だけど掴まれた力は強く。


 「もしかして・・・初めて?」


 「・・・」


 体が重なり、羽織っているもの脱がされそうになった時。


 こんな時になって怖くなった。
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