誘惑~初めての男は彼氏の父~
 「佑典・・・」


 私はまた裸のまま、ベッドに戻った。


 シーツの隙間にもぐり込むと、窓辺に立っていたほんのちょっとの間に熱が奪われているのに気づいた。


 深い眠りに落ちている佑典に、そっと身を寄せる。


 ・・・ひどいことをしているのは、十分に理解している。


 真実が白日の元に晒された日には、どんなことになるだろう。


 悲しむだろうか。


 憎まれるだろうか。


 怒りのあまり、私を殺そうと欲するだろうか。


 ・・・私はそうなっても当然なくらい、ひどい裏切りを続けている。


 判っているのに、自分が抑えられない。


 ・・・こんな状態でいつまでもいられないとは悟っていながらも、今だけは夢を見ていたくて、そっと佑典のそばに寄り添った。


 佑典は目覚めことはなかったものの、無意識のうちに私をそっと抱きしめてくれた。
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