誘惑~初めての男は彼氏の父~
 「ま、いろいろあったけど。トータルしたら僕って、それなりに恵まれた人生を送っていると思う」


 幼少期から写真の英才教育を受けたわけではなく、きっかけは使い捨てカメラで撮影したスナップの、雑誌への投稿。


 それが指導者に恵まれ、恩師のバックアップを受けていつしか著名な写真家へと順風満帆な人生を歩んできたはず。


 ただ写真に没頭するあまり、奥さんとはすれ違いが続いているうちに死別。


 残された息子の佑典とも、その影響からか一歩距離を置いた関係。


 家庭的にはあまり幸せだったとは言えないかもしれない。


 「・・・一口に写真家とはいっても、それぞれ撮影分野は千差万別なんだよね。僕は風景ものがメインだから、こうして北海道に移住していろいろ楽しんでいる」


 学生時代にはバイトと修業を兼ねて、他の分野の撮影も多く経験したらしい。


 イベントなどの記念撮影(集合写真)や、スポーツ大会でのプレー最中の撮影など。


 撮影方法や構え方なども全く異なる被写体を、あれこれ・・・。
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