誘惑~初めての男は彼氏の父~
***


 「理恵、ブログやってるって本当?」


 「え?」


 翌日。


 学生食堂で一緒にランチしていた際、突然佑典にブログのことを尋ねられて、私は焦った。


 「う、うん・・・」


 佑典に知られた以上、ごまかすわけにもいかないので白状した。


 「院生(大学院の学生)の先輩に聞いて、びっくりしたよ。俺聞いてなかったから」


 万が一のケースを想定して、見られたらまずい内容は公開していなかったものの。


 ブログ開設の際、和仁さんの指導を受けたりしていたので、何となく気まずさを感じて佑典にはブログのこと秘密にしていた。


 「ごめん・・・。言ったほうがよかったよね」


 「そうだね。先輩は当然俺も知ってると思って話してきたから。俺が知らないのを見て驚いてたし」


 「ごめんね。大した内容じゃないし、佑典は今、教員採用試験で忙しいから、余計かなって判断して」


 ブログをやってることは、大学内では同学年の親しい友人数名にしか話していなかった。


 どこから情報が漏れたのだろう。


 「双方プライバシーは大切だけど、伝えておかないとかえって問題になることもある。これからはもっと密に、互いに伝え合うようにしよう」


 「分かった」


 「俺たちはもう、他人じゃないんだし」


 「・・・」


 胸が痛む。


 と同時に、体の節々が痛い。


 昨夜は佑典の目を避けて、和仁さんとこれまでにないくらい熱烈に抱き合った。
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