【短編】冷たいアナタ


「んなわけねぇよっ!!俺はうんざりしてんだから。毎回毎回教科書忘れられて」

「そうなんだ。ふーん」



なんだ。

そうだったんだ。

うんざりしてたんだ。

なら、言ってくれればよかったのに。


忘れ物なんて、

しないのに……


廊下に落ちる、透明の雫。

あたし、

泣いてるの??


あたしは結局、

“忘れ物少女”でしかないんだ。


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