JOKER
ゴールのない道
その後。


あの男からのお呼び出しがかかり、あたしは北龍を後にすることになった。


北龍の倉庫の近くに、見覚えのある、ガラの悪いセダンが停まっていた。


あたしはその車に向って、歩みを進める。


後部座席に近付くと、窓が開いた。


「乗れ」


そう言うと、その窓はまた閉められた。


なんか、高城の様子が変な気がする。


そんなことを思いながら、あたしは後部座席に乗り込んだ。


車はあたしが乗り込んだのを見計らい、走り出す。


「なぜ、お前が北龍に居た」

「あなたに、関係あるんですか」


あなたに詳しく事情を話す必要なんて、あたしには何もない。


__グイッ__


高城はあたしの顎を無理やり掴み、自分の方を向かせる。

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