野球してる君が大好きです。
こうやって誰かにあげるのは
初めてだ。

自分でもびっくりしてるし、
執事にあげるなんて……



_____家に着き。



私は誰もいない屋敷に帰ってきた。

(そっか、みんな用事でいないんだ)

私はそれを思い出し
部屋に入って行った。


「ついに、明日か…」

結城から貰った
プレゼントを見ながら私はそう呟く。





_____数時間後


私はいつの間にか
眠りについていたらしい。

「ん…」
私は目を覚ました。

「お嬢様…」
「ゆ、結城⁉︎」

部屋に結城がいたので
私は驚いた。


「ど、どうしたの⁈」
「少し…落ち着きたくて…」
「え?」
「お嬢様といると、落ち着くんです…」

そう言った結城の顔は
赤くなっていた。


「ゆ、結城?」
「はい?」
「か、顔が赤いんだけど…」

結城は一瞬ビクッとしていた。

「こ、これは、夕陽のせいですよ‼︎」

そう言って俯いた。

「…一つお聞きしたいことが…」

結城が何かを聞いてくるのは
珍しいことだ。

「なに?」
「お、お嬢様は……好いている方はいらっしゃいますか…?」

最初は、結城が何を言っているのか
わからなかった。

なぜそんなことを聞いたのかも。


「……い、いるわ…」
私は俯いて言う。

「そ、そうですか…」
結城の顔を見てみると
何処か儚く、悲しく、切なく見えた。

なぜそんな顔をするのか
わからなかった。







私は結城に聞き返す。


これで居るって言ったら……
それは胡桃のこと…⁇


そんなことを思いながら、
返事を待った。






「私もいます…」

結城の声は小さかったが
私の耳にはしっかり入ってきた。










…陽斗に……
まだ、好きな人がいる……。























明日のバレンタイン…
しっかり渡せるか…
私には心配で仕方なかった。
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