キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
「え、キスもさせてくれないくらい怒ってんの?」
「……」
私は俯いてふるふると首を横に振る。
怒りなんて、出てこない。
出てくるのは虚しさだけだ。
俯いたまま顔を上げられずにいると、樹さんが私から離れて「んーっ」と言いながら背伸びをした。
そして、私に向かって言葉をかけてきた。
「なぁ、みーこ。ちょっとだけ、コタには留守番しててもらおうか」
「え?」
「たまには二人でゆっくり散歩しよ?ちょうど夕暮れが見れそうだし、外の空気吸いたい」
「な?」と言って樹さんは立ち上がる。
樹さんから出てきた想像もしていなかった言葉に私はきょとんとしてしまった。
でも、外に行くのがいいかもしれない。
コタロウがいるところで別れ話なんてしたくないし、ここを悲しい思い出の場所にしてしまったら、この部屋にいる限り、きっとずっと辛い思いを引きずってしまうから。
私は樹さんの誘いに素直に頷いた。