キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
 

経緯を一通り樹さんに話すと、やっぱり苦笑いしていた。


「話聞く感じだと、みーこと正反対の性格っぽいよな」

「それ、よく言われます。大学のサークルで仲良くなったんですけど、璃世はサバサバした性格だし、いろんな人に人気があるんですけど、いつもぼんやりしてる私のことをいつも気にして仲良くしてくれてて。いろいろ相談に乗ってもらったりしてて、すごく大切な友達なんです」

「うん。何か目に浮かぶ。っていうか、相談って恋愛話とか?」

「えっ!?や、えっと」


“いろいろ”の中には確かに当時好きだった人とか付き合っていた人との話も含んでいて、私はつい口ごもってしまった。

昔のことだし、今はなんとも思っていないというのに、何となく気まずくなったのだ。


「妬けるよなー。みーこの歴代の男たちに」

「!」

「まぁでも、それがあったからこその今のみーこだしな。みーこは今俺の横にいるし、それでいいんだけど」


な?と言って、樹さんは私に笑い掛けてきた。

今があればいい、という言葉がすごく嬉しかったけど、私はそんなに簡単に割り切れないなと思ってしまう。

やっぱり、樹さんが昔どんな人と付き合ってたのかって気になってしまうから。

あんなにキレイな西岡さんから告白され続けても一切揺れなかった樹さんだもん。

きっと誰もが羨むような素敵な人と付き合っていたんだろうなと思うんだ。

……聞いたら聞いたでへこみそうだから、聞かないけど……。

 
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