キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
 

「あっ、コタ!」

「え?わっ!」


樹さんの慌てた声に振り向くのと同時に、コタロウが私の膝にぴょん!と飛び乗ってきた。

私の顔をまんまるな目でじっと見つめるコタロウに私の胸はきゅん!と締め付けられる。

……かっ、かわいい……!

私は思わずコタロウのことをぎゅうっと抱きしめる。

コタロウも私の胸にすがるようにしてきて、その前足の動きがまたかわいくて、私の胸がきゅんとときめいた。


「コタ~どうしたの?樹さんにいじめられるのが嫌で私のところに来たの?お水飲む?」


抱きながら顎の辺りを指でさすると、コタロウがゴロゴロと気持ち良さそうな顔をして喉を鳴らした。

半開きになってしまっている口元がすごく可愛くていとおしくて、樹さんに伝えたくなった。


「ね、樹さん!……え、どうしたんですか?そんな顔して……」

「……やっぱりライバルは手強いな」

「?意味がよく」


樹さんに目を向けると、何やら拗ねたような表情をしていて、私は首を傾げてしまう。

すると樹さんがはぁと息をついて、表情を緩めた。


「まぁいいや。コタ、いいな?さっきも言ったけど、夜はみーこは俺のものだからな?」

「!」


樹さんの指がコタロウの鼻につんと当てられると、コタロウはその指をふんふんと嗅ぎ、にゃおと鳴いた。


「よし、成立。ってことだから、夜は可愛がってあげるから、覚悟しといてな?みーこ」


そう言って樹さんはにやりと笑った。




……仕事ではクールな彼の猫可愛がり方法。

それはどうやら昼と夜とでは全く違うものらしい。

そして、可愛がる相手も。

これから先ずっと、そのギャップに私はドキドキさせられ続けるんだと思う。


Fin.
 
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