キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
私は実家が県外で、大学の頃にこっちに出てきたから、一人暮らしを始めてもうすぐ10年が経つ。
今のアパートに引っ越してきたのは転職をした時で、3年前のことだ。
すっかり家事にも慣れてしまって、私は保冷バッグなどを持ち出して買い物をするのが普通になっていた。
土曜日の買出しの時には家とスーパーのちょうど真ん中辺りにある柚ヶ丘公園に寄り、小さな噴水のところに座ってぼんやりと緑を眺めるのが習慣。
コタロウと過ごすのもすごく楽しいけど、一人でこうやって大好きな公園でぼーっとする時間も好きなんだ。
この柚ヶ丘公園は子供が遊ぶような遊具を始め、人が休めるようなベンチ、癒しを与えてくれる噴水や植え込みがある少し大きめの公園だ。
ここには親子連れやカップル、年配の夫婦、ペットの散歩をする人などいろんな人が訪れる。
私のように一人でのんびりとお散歩しているような人もいるから、気軽に来れる公園で気に入っていた。
本当はコタロウも連れてきたいんだけどな。
そう思いながら腕を上げて背伸びをした時、私にふと影が落ちてきた。
「……坂本さん?」
「え……?」
自分の名前を呼ばれ、ふと視線を上げる。
そこに立っていたのはシャツにジーンズというラフな格好をした男。
逆光で表情が見えなくて、私は反射的に立ち上がっていた。
「やっぱり坂本さん。こんにちは」
「えっと……こんにちは?」
にこっと笑った表情が見えたけど、誰だかわからなくて私は首を傾げてしまう。
……いや、でもこの笑顔、つい最近どこかで……。