キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
 



「コタ~いい天気だねぇ」


私はすぐ隣に寄り添って毛繕いをしているコタロウに話し掛ける。

毛繕いに夢中のコタロウが私の方を見ることはないけど、その一生懸命さがまたかわいい。

仕事が終わり家に帰ってきて昼ご飯を食べた後、まったりとベランダで私とコタロウはひなたぼっこをしていた。

……正確には、コタロウはあの怪我以来、ベランダに一歩目しか入らないようになってしまったから、ベランダに足を出しているのは私だけで、コタロウは窓のすぐそばにいるんだけど。

昼ご飯の後、ブラッシングの大好きなコタロウにせがまれるようにして、丁寧にコタロウの身体全体をブラッシングをした後、私はまだ少し気になるところがある様子のコタロウが毛繕いをする姿を見ながら、ぼんやりと空を眺めていた。

お日さまのあたたかさや光、そよそよと吹き渡る風。

そんな自然を全身で感じる時間はすごく気持ちがいい。

時間に追われていた頃はこんなに自然が気持ちいいものなんて気付かなかった。

こんな気持ちを知ることができたのはコタロウが私の元に来てくれたおかげだと言っても過言ではない。

くわぁぁ、とコタロウがあくびをして、尻尾をゆらゆらとゆっくり揺らした後、身体をぺたんと床につけた。

前足に顔を乗せている姿がすごくかわいくて、つい私の顔が緩んでしまった。

ゆらりと落ちていくコタロウの瞼をじっと見ていると、私まで眠くなってしまう。

あぁ、いけない!と首を振り、私はコタロウを起こさないようにそっと立ち上がって、部屋の中に入った。

ベランダの窓もそっと閉める。

コタロウがお昼寝している間に、お買い物に行ってこよう。

 
< 42 / 257 >

この作品をシェア

pagetop