キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
 

ていうか……虎谷先生って、本当はこんなキャラだったんだな、と改めて思う。

この前の“事件”以来会うけど、さらにキャラが崩れた気がする。

すごくたくさん話し掛けてくれるし、何よりも笑ってくれる。

ここが私とコタロウしかいない場所だから?

もしかして心を許してくれているのかな、なんて思ってしまう。

……って、先生とはまだ数えるくらいしか会ったことはないのに、私、何考えているんだろう。

にしても、完全に見た目と“獣医”という仮面に騙されてたよなぁ……としみじみ思ってしまう。


「ほんとにいいと思うよ?仲のいいネコ姉弟。見るたびに思うけど、コタロウも坂本さんがそばにいると本当に幸せそうでさ。知ってる?こんな風に丸まらずに無防備に寝るのは安心できる存在がそばにいるからだってこと」

「え?ネコが寝ることに安心できるとかできないとかがあるんですか?でもネコってよく外でひなたぼっこして寝てるでしょう?寝てるのに警戒してるんですか?」

「寝方が違うんだ。警戒してる時はすぐに動けるように顔を地面につけないし、身体もすぐに動き出せる体勢だけど、今のコタロウは違うだろ?」


すやすやと気持ち良さそうに眠っているコタロウに目を向けると、今はお腹は見せていないけど、完全に足を投げ出している体勢。

頭もボールに乗せているけど、安心しきったような寝顔だ。

きっと今敵に襲われても、あわあわとなるだけだろう。


「……確かに警戒してるようには見えませんね。でも、そっか……私のそばで安心してくれてるって思うと、すごく嬉しいものですね」

「だよな。犬も忠実でいいんだけど、ネコのこういう姿を見ると、本当にかわいいなって思う。気まぐれなところがあるから特に。ギャップってやつかもな」

「……」


ギャップ。それを言うなら虎谷先生だって。

……と思ったけど、口には出さなかった。

 
< 54 / 257 >

この作品をシェア

pagetop