キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
 



「コタ~。ちょっと出掛けてくるから、お留守番しててね」


おもちゃに夢中になって遊んでいたコタロウに声を掛けると、コタロウは耳をぴんと立てて私の方を振り向いた。

そして、今まで遊んでいたおもちゃをぱくっと口にくわえて、尻尾をピンと高く上げ、私に向かってとっとっとっと真っ直ぐ歩いてくる。

私の目の前まで来ると、ぽんと床におもちゃを置いて私のことをじっと見上げた。

遊んで欲しい、と目で語る。まさにそんな感じだ。

でも、ここは心を鬼にして出掛けないといけない。


「ごめんね。帰ったらたくさん遊ぼうね」


そう言って、私はコタロウの頭をぽんぽんと撫でておもちゃをリビングの真ん中にぽんと投げ、コタロウがおもちゃに気を取られている隙にささっとリビングを出てドアを閉めた。

中からはすぐににゃおにゃおという泣き声が聞こえてきたけど、私は聞こえないふりをして外に出て戸締りをした。

起きているコタロウを置いて出掛ける瞬間が、一番辛い時間だと毎回のように思う。



今日は珍しく2週連続で1日休みをもらえた土曜日。

平日はずっと雨模様が続いていたのに、土日を歓迎するかのように空には太陽が輝いている。

それは私とコタロウのひなたぼっこのためだと思わずにはいられないほどのタイミングと天候の良さだ。

平日に溜め込んでいた家事を済ませ、のんびりとコタロウと過ごしていたら、あっという間に昼を過ぎていた。

どうにか夕方にもコタロウとの快適なひなたぼっこタイムを得るために、行かなければいけない場所があった。

それは、つつみぎ動物病院。

コタロウなしで行くのはつつみぎ病院に行きだしてから初めてだ。

今日はコタロウの様子を見せに行くのが目的ではなく、コタロウのアレルギー用のご飯を買いに行くのが目的ということもあって、コタロウにはお留守番してもらうことにしたのだ。

 
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