キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
「坂本さんがコタロウを飼うようになったきっかけって何?」
「へ?」
「いや、この前写真は見せてもらったけど、飼うきっかけは聞いてなかったなと思ってさ」
すっかり私の部屋に慣れ親しんだ様子で、ごろんと寝転んで、コタロウをお腹の上に乗せて戯れていた虎谷先生が、むくりと身体を起こしながら聞いてきた。
コタロウは虎谷先生が組んだあぐらの間にすっぽりと収まって、おもちゃを前足で押さえながらハムハムするのに夢中だ。
「友達の家にネコちゃんがいて、そこに生まれた子の中の1匹がコタロウだったんです。それで声を掛けてもらったのがきっかけで。本当は、昔、犬を飼っててすごくかわいがっていたんですけど、その別れがあまりにも悲しくて、たくさん泣いて、もうペットなんて飼わないって思ってたんです。でもコタロウに出逢った瞬間、何かビビッときて……。この子と一緒に過ごしていきたい、って強く思ったんですよね」
「……うん」
「今だから笑い話にできますけど、最初はコタロウ、私のことも怯えてて、目を合わせるどころか全く近付いてもくれなかったんですよ?」
「え、そうなの?意外」
「小さい頃からずっと臆病で、特に男の人がすごく苦手で。友達も“母ネコもいるし、コタロウはこのままうちで飼おうと思ってる”なんて言ってて。でも、私がコタのことを諦め切れなくて、友達の家に通い詰めたんです」
「その愛情がコタロウに伝わって、見事に落としたわけだ」
「……と思ってます。私の勝手な自己満足かもしれないんですけどね」
「……いや、そんなことない。ちゃんと伝わってるよ。それにコタロウからも感じるし」
「なーコタロウ」と言って虎谷先生がコタロウを撫でると、『邪魔すんな!』と言うかのようにコタロウは牙をむいてにゃっと鳴いた。
それに対して明らかに悲しい表情をした虎谷先生に、私はくすりと笑ってしまう。