キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~
すると、ぽかんと私を見ていた虎谷先生がくくくっと笑い始めた。
「そ、そんなに必死にならなくても……っ、くくっ」
「!だ、だって」
「ごめんごめん。俺が悪かった。ちゃんとわかってるって。坂本さんが不倫なんてできないことくらい」
「へっ?」
「坂本さんすぐに顔に出るから、嘘なんてつけないだろ?そもそも、友達の男に手を出すようなことをする人間には見えないから。それに……彼氏もいないだろ?こんな風に俺を家に入れるくらいだし」
「!!!」
「ほら、図星。くくっ」
くすくすと笑う虎谷先生に私は何も言えなかった。
何かもう、ただ恥ずかしかったのだ。
すぐ顔に出るなんて、私ってそんなにわかりやすいの……!?
というか、顔に出るってことは虎谷先生への気持ちがバレる可能性が高いということだ。
それは非常にまずい……!
誤魔化すように私は言葉を紡ぐ。
「わっ、私の本命はコタですからっ!コタっ、おいでっ!」
「え」
私がコタロウを呼び寄せると、ぴくっと反応したコタロウは虎谷先生の足の間からひょいっと抜け出し、おもちゃをくわえて私の方に向かってくる。
それを口を尖らせて寂しそうに見送るのは虎谷先生で。
その表情のかわいさにどきっと心臓が跳ねてしまったのは言うまでもなく、顔が熱くなっていくのを感じていた。
ドキドキを誤魔化すようにコタロウと遊ぶうちに、私は遊びに夢中になってしまって(もちろんすぐに先生も「俺も遊ぶ!」と無理矢理仲間に入ってきて)、先生に彼女がいるかどうかを聞くことを完全に忘れてしまっていた。