この恋の結末【短編:完結】
「…涼さん。
私はあの母親の血を引いてるから
無意識でも
あの日の母親のように淫らな瞳で
あなたを見てしまう事があるかも
しれないけど……いいの?」
呼び方が
『先生』から『涼さん』に変わった
タキシード姿のあなたの胸元を
そっとさすりながら
不安な気持ちを尋ねた。
そんな私の手に
そっと自分の手を重ねたあなたは
優しく微笑むと
『…ミリアなら全然構わない。
どんな瞳で俺を誘惑してきても
俺は真正面から全て受け止めるよ。
寧ろ、ミリアならウェルカムだよ。
…ミリアに再び出会う為に
俺はずっと頑張ってきたんだ。
…一生ミリアを溺愛してやるから
もう二度と俺から離れるな…。
ずっと俺だけに溺れて
俺だけに迫って来いよ…いいな?』
そう言って顔を近づけたあなたは
『…あの頃から愛してる。』
と、ゆっくりと私の唇を塞いだ。