車内恋愛。
2段階.加速

1.気持ちの加速

今日から2段階。

早速学科を受ける。
実車は明後日から。


教習所に来ると、つい所内のコースを見てしまう。
瀬口先生が歩いてないかな。って。


つい無意識に探してしまう自分がいる。
完全に先生に片想いをしている。




「それは教習所マジックだって。」
「え。」

学科を一時間受け、久しぶりに高校時代の親友、茜とランチ。


「だって、あの狭い空間に二人きりだよ?それに、年上で運転できて…ってかっこ良く見えるもの。」
「え、でも…。」

教官のことが好きだ、と言ったらこれ。

「それに自己開示っていうの?」
「あ、それ、私の専門分野です…。」
「自己開示することによって、相手が知ってくれる。相手のことを知れる。それが恋の勘違いになる。」
私は大学で心理学を学んでいる。

「私はそういうのなかったけど、やっぱりあるんだ。教習所マジックって。」
茜は大学一年生のときに免許を取っている。
「でも、瀬口先生への想いは本物だもん!」
「マジックにかかってる人はみんなそう言うんだって。時期に卒業するんだから忘れるって。」
「そうなのかな。」

確かに、言われてみれば…。
そうかもしれない。

でも、でも、でもね?
少しでも望みがあるのなら…。
そう思う。

向こうにしてみたら沢山いる教習生の一人。
私のことなんて、ただの生徒としか思ってないのかもしれない。
けど、期待しちゃう。

私に対する一言一言に。


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