サヨナラからはじめよう
「っていうかさ、なんであんたの許可がいるわけ?どう考えてもおかしくない?」

「文句があるならまずは元気になってから言ってください。涼子さんが何と言おうとも、僕は出てきませんし世話をやめるつもりもありません」

キリッ!
なんて効果音が聞こえてきそうなくらいのドヤ顔でそう言い切る。
な、なんなの一体?

私が倒れてからというもの、明らかに司の様子が変わった。
基本優しい。とても。そこは変わらない。
でもそれだけじゃない強さが前面に感じられるようになった。
そしてそれに逆らえない自分がいる。
いくら体が弱ってるとはいえ、こんなにあいつにペースを握られるなんて。

私が本気で抵抗すれば司はそれ以上無理強いしてこないに違いない。
それなのに私自身がそうできないのだ。
気が付けばそうできないような空気にあいつがもっていってる、そう言ってもいい。


何が彼を変えた?

・・・やはりあの日だろうか。
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