サヨナラからはじめよう
怪訝そうな顔を上げた私を見て、カナさんは苦笑いした。

「あなたがそういう風に勘違いするのは当然ですよね。あのバカ男がそう仕向けたんですから。････ったくだからやめろっていったのにあのヤロー･･･」

なんだか最後の方は小声で口汚い言葉が聞こえたような気がするけど気のせいだろうか？
全く意味が分からない私にあらためて向き合うと、カナさんはゆっくり口を開いた。

「今から私が言うことは全て事実です。涼子さんにとってはかなり驚く話になると思いますけど･･･聞いてもらえますか？」

「･････････はい･･･」


嫌だと言いたいところだけど。
カナさんがとても真剣な顔で私を見ていたから断れなかった。
何を言われるのか怖くて堪らないけど、逃げられない何かがあった。



「･･･････まず一番最初に言わなくてはならないことがあるんですけど････」




･････ゴクリ。

一体どんな衝撃の言葉が出てくるのだろう。
あまりの恐怖で逆に彼女から目を逸らすことが出来ない。







「････私、女じゃないんです」



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