好きになったわけ
案の定、彼女は僕が通う北高の生徒だった。しかも転校生。ん?転校生?なんか最近どこかで出た話題のような……

「えっと、篠原有希です。一年生なんですけど……えーっと……」

「ああ、同じ学年なんだね。僕は一瀬宏輝。よろしくね」

お、普通に自己紹介できたぞ。

「すみません、私方向音痴で。本当は一限目から行く予定だったんですけど…………
あ、学校には連絡しましたよ?」

「実は僕も遅刻しちゃって……ははは」

「でも一瀬くんに出会えてよかったです」ニコ

思わずドキッとしてしまった。守りたい、この笑顔。

「私一人だったらずっと迷子でした」

ああ、そっちね。わかってましたとも、ええ。

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