向こう側
「お待たせしました」

とんとん、と書類を整えてファイルにしまう。

「なにか食べたいものある?」

「なんでもいいですよ。遠藤さんはありますか?」

優柔不断でなかなか決められないんです。あたし。

「んじゃー…ちょっと飲みたいんだよね。
飲めるとこでもいい?」

「あ、はい。構いませんよ」

んじゃいくか、と二人で会社をあとにした。

二人っきりでご飯なんてこんな機会あって、あたしバチ当たらないだろうか。

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