向こう側
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「遠藤さんかっこいいのにーなんで彼女つくらないんですかー?」

「そりゃ欲しいさ。でも無理に作るほど欲しくない。」

「なんかもったいないですねー」

「おまえこそなんで作んないんだ?」

「んー。欲しくないっていったら嘘ですよ?
でも相手に合わせるのも疲れるし、
すっぴんでごろごろするの好きだし。
こんな干物みたいな女を彼女にしたい人はいないでしょーって感じです。
それに億劫なんです。合コンとか。

でも、あたしを見てくれて手を引っ張ってくれる彼がいたらいいなって。

…なんか矛盾してますよね」

「…いいんじゃないか?」

「そうですかね?」

「無理に背伸びすんのも疲れるしな。
…引っ張ってやるか?」

「へっ?」

「引っ張ってやるか?っていってんだよ」

「あたし引っ張るの疲れますよー
重いしー」

「…(意味理解してないな。こいつ。)」

「…でも遠藤さんかっこいいですよね。
手もキレイだし。」

「手?」

遠藤さんの手をとって、

「そうですよ。凄くキレイ。
…嘘でもいいからこの手に触られてみたい。」

そういってあたしは遠藤さんの手にキスをした。

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