恋愛奮闘記


「おー司!久しぶりだなー」

「シュウさん!とりあえずいつものー!」

「はいはい、相変わらずだなお前は」



すぐに出てくるサングリアを飲みながら、一人カウンターの椅子にもたれる。

ここにくるのは本当に久しぶり。
店内を見渡してみると、客はそんなに入っていない様だった。



「で?今日は何があったわけ?」

「今日はそんなんじゃないよー!久しぶりにコレが飲みたくなって」

そう言ってグラスを軽く上げる。

「へえ?たまには”シュウさんに会いたくなって〜”ぐらい言えよな、この野郎」

「なにそれ!シュウさん意外とロマンチストなんだね」

「おい。…まったく、残酷な奴だよお前は」

「…?なんで?」

「…なんでもねーよバカ司」

「バ…!?ちょっと!今のは聞き捨てならない!」

思わず抗議すると、シュウが手を伸ばしてきて私の頭の上に置いた。

「はいはい。で?こないだの奴とはどーなってんの」



完全に上手くはぐらかされたよね、今の。
シュウさんはたまによくわからない行動をとることがある。理由を探ろうとしても、今みたいにはぐらかされる。
そりゃ、私みたいな小娘に自分のことを話す気にはなれないんだろうけどさ。


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