『…好きでした、それからごめんね。』

「上杉君、それって……少しは私のこと『好きだった』そう思ってもいいの?」

「はぁーおまえ……人の話ちゃんと聞いてなかったのかよ」

私のこと呆れてるけど……

私は『好きだった』とちゃんと伝えたけど、上杉君には笑顔が迷惑レベルとしか言われていない。

「うん、俺もちゃんと吉野ことが好きだった……

由美に言葉じりを取られて邪魔されたとは思いもしなかったし」

苦々しい表情でそう言ってくれた。

「上杉君、由美に告白された?」

そう言えば由美のこと完全に忘れてた……

「あぁー中学の時、『ずっと、好きだった』って言われたけど、

おまえのことは幼馴染としか思えないって断った」

私よりも遙かに長い時間、好きだった人に幼馴染以上には思って貰えなかった由美も辛かったんだろうなと今なら思える。

中学生の頃に感じた理不尽過ぎる仕打ちも許せる気がした。



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